2013年6月11日火曜日

「楽毅」 宮城谷昌光 著

 中国戦国時代の武将。滅び行く中山国で忠義を尽くすも亡国の憂き目にあう。しかし、流浪の将であった楽毅を燕の昭王に破格の待遇で迎え、楽毅もその期待に応え小国の燕で大国の斉を滅亡寸前まで追い込んでいく。

 三国志の諸葛亮が尊敬した人物であり、諸葛亮が劉備に「息子が暗愚であれば、諸葛亮に蜀を継いで欲しい」と遺言されたように、楽毅も占領した斉の王に昭王から推戴される。楽毅も諸葛亮も固辞して受けなかったが、諸葛亮は蜀を託されるのではなく、楽毅と同様に大国である魏を滅ぼし魏の王に推戴されるのを固辞する姿を理想としていたかも知れませんね。
 あと、前半は中山国を滅ぼした趙の武霊王を中心に話が進み楽毅はやや影が薄くなる部分もありますが、あまりスポットライトが当たることのない武霊王を重点的に描かれていてなかなか面白かったです。

 

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