2012年11月14日水曜日

「三国志」 北方謙三 著

「三国志」 北方謙三 著

三国志の小説は多々ありますが、人物描写のリアルさ、特に心の内面描写が非常に現実味があり現代に生きた人物を見てきて書いたようでもある点で非常に面白い。また、武将の能力も非現実的な怪物じみた強さではなく自己及び兵を鍛え上げる努力の上になりたった現実的な力として描かれているところも、現実身を増幅させてよかった。
ストーリーも基本的に三国志のストーリーを忠実に描いている一方で、それぞれの行動の理由付けが心理面から詳細に描かれており、いままで読んだ三国志の小説では説明できていなかった唐突な行動や現象を見事に描いる点で読んでいて関心させられた。そういった点では、三国志のストーリーを知っている人でも違ったまた違った楽しみ方ができると言う点でお勧めできる小説です。

2011年10月10日月曜日

「播磨灘物語」 司馬遼太郎 著

「播磨灘物語」司馬遼太郎 著

戦国時代の武将、黒田官兵衛の物語。秀吉の軍師として竹中半兵衛と並び称される人物であるが、半兵衛よりも長生きした点とわずかに灰汁の強い性格(二人とも無欲なほうではあるが)であるため、より人間らしく個人的には黒田官兵衛のほうが好きである。さすがに戦国時代を生き抜いただけあり、人生は波乱に満ちており、また抜け目なさもあるが、晩年になってもなお天下を狙っていたところなどが、無欲と野望が混在した面白い人物像に描かれており、その辺の性格設定が非常に面白いと感じた。

2010年12月19日日曜日

小倉城(福岡県北九州市)

小倉城(福岡県北九州市)
元々は関門海峡に接して建っていたようですが、現在では街の中心にあるようにしか見えずその面影はありません。ただ、堀や石垣は綺麗に残っており、全体の規模や天守閣(再建されたものですが)は見応えがあります。関門海峡に面していた当時は海から見れば壮観であり、関門海峡の武力的な押さえとしては非常に有効であったと思われます。


NHK大河ドラマ 「龍馬伝」(後編)

独特の映像で、絵的には非常に印象に残る作品であると
思います。話の展開も岩崎弥太郎の回想という流れで展開し
その点でも特に違和感はありませんでした。
ただ、全体を通してなにか感情的にいまいち感情移入できない
ような、なんともすっきりしない最後となりました。
部分・部分ではキャラクターの性格付けや人物像でも斬新な点もあり
非常に面白くも感じていたので、全体としてのこの印象は
期待しすぎていたためかもしれませんが残念です。


☆☆☆

2010年4月15日木曜日

NHKドラマ「大仏開眼」

NHK歴史ドラマ「大仏開眼」

タイトルの通り1300年前の日本、奈良の大仏が作られた頃が舞台。
主人公は吉岡秀隆演じる吉備真備という遣唐使として唐で才能を認められた学者で17年ぶりに日本に帰ってきたところから始まり、高橋克典演じる藤原仲麻呂と政治的なライバルとして権力闘争を繰り広げるといった話。その中で大仏がキーとなるが、特に大仏開眼だからといって大仏中心の話ではなく、このような政治的背景で大仏は作られたんだといった程度のポジション。奈良時代などの古代史はなかなかドラマ化されないことや演技派を集めていることもあり、見ごたえは十分で、古代史ドラマを今後もちょくちょく作ってもらいたい。



☆☆☆☆

2010年2月10日水曜日

NHK大河ドラマ 「龍馬伝」(前編)

言わずと知れた幕末の英雄、坂本龍馬。
さすがに面白いが、題材に助けられている部分は大きいかな。
ただ、高知の町の再現は上士、下士、庶民の暮らしが色濃く
でていて、なかなかリアルでこだわりを感じた。
全体としてストーリーより画像でインパクトを受けた場面が
多く、そういった意味では小説などの文章では味わえない
時代の空気を良く再現できていて好感が持てました。
ストーリーも含め人物の味付けなど、この後どうなっていくのか
楽しみです。



☆☆☆☆

NHK大河ドラマ 「天地人」(終盤)

天地人、完結しました。ただ、最後の方はかなり間延びした展開。
こんなに間延びした展開になるのなら、最初のほうをもう少し丁寧に
進めて欲しかった。
直江兼続の人間関係に重点をおいたのだろうけど、緊張感に少し
かける展開で残念だった。
中盤までが良かっただけになんとかならなかったのだろうか?



☆☆

2009年9月27日日曜日

映画 「レッドクリフ PartⅡ」

レッドクリフの後編。前半は人物の味付けなど新鮮味のあるがあり、それなりには面白くも感じましたが、後編はただ長いだけといった印象。良い部分を探すとやはり映像かな。映像は迫力満点で見ごたえはかなりあります。映像にだけ期待して観ればなかなか面白いと感じるかも。ただ、歴史好きな人が見ると、なにやら薄っぺらいストーリーで観るのが嫌になりそう。特に曹操の人物像が過小評価されすぎていて、とても天下の2/3を治めているとは思えない。もう少し重厚感を持たせて欲しかった(ほんとにただの引き立て役)。
この作品と比べると「始皇帝暗殺」とか「ラストエンペラー」とかはまともな歴史映画だなと思います。




☆☆

2009年9月6日日曜日

「バガボンド」(31) 井上雄彦 /吉川英治 著

「バガボンド(31)」 井上雄彦 /吉川英治 著

佳境に入ってきたバガボンド。武蔵が自分自身と向き合うことによりさらに一段高い精神的な高みに上がれるかが注目されます。宮本武蔵といえば一般的には巌流島のイメージしかないですが、晩年の人生など興味深い余生を送っており、そこに至った心境というものは他人には計り知れないものだと思います。

2009年8月7日金曜日

「下天は夢か」 津本陽 著

「下天は夢か」津本陽 著
言わずと知れた織田信長の生涯を描いた作品。桶狭間や長篠の合戦のイメージからは戦略面ばかりがクローズアップされがちですが、戦国時代にはびこった豪族・寺などの強固な農民支配を破壊し、絶対君主制を確立していくなどの政治的な面も詳細に描写されている。天下を半ば統一したという地理的な功績よりも、これら支配体制の改革の功績は大きく、政治体制の点では秀吉・家康はある意味引かれたレールを進んだだけとも読め、今までの戦国時代の印象が大きく変わりました。ただ、歴史的な事実の列挙が多いところが難点です。



☆☆☆☆